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インボイス制度 支払い側の実務対応 まとめ

更新日:2023年5月6日


インボイス制度 支払側の実務対応

はじめに

2023年10月からインボイス制度が開始されます。

自社の適格請求書発行事業者登録は済ませたものの、その後の準備ができている会社は未だ少ない状況とお見受けします。

この記事を読むことで、インボイス制度における支払い側の実務対応について予習しておくことができます。

 

【目次】




 

1.おさらい インボイス制度 支払業務への影響

インボイス制度が開始されるとどうなる?

インボイス制度が開始されると経理処理って複雑になりそうですよね。

知っているつもりのインボイス制度についてもう少しおさらいしてみましょう。


インボイス制度の概要はこちらの記事もご参照ください。


・インボイス制度で支払業務はどう変わる?

今まで仕入先で個人事業主など(または消費税免税事業者)がいる場合、企業によっては、自由な形式の請求書で支払い対応をされていたかもしれません。今後は、その場合だと提出する請求書の書式を変更させる必要が出てきます。インボイス制度開始後は、支払先が、支払ったタイミングにおいて課税事業者か免税事業者かを把握する必要があるためです。

 また、インボイス(適格請求書)の適格性の確認と保管も必要になります。インボイスがない場合や記載要件を満たさない請求書の場合、それに支払った消費税については、仕入税額控除を行うことができません。そのため、インボイスの対応ができない仕入先への支払については、消費税の納付額の負担が大きくなることに留意が必要です。なお、仕入税額控除ができなくなる部分は、課税仕入れに係る取引の対価の額に含めて法人税の課税所得金額を計算することになりますので、費用又は資産の対価の額として処理することになります。

参考:適格請求書(インボイス)の記載要件とは
参考:仕入税額控除に関する経過措置

・経理処理の複雑化

消費税に係る経理処理としては、これまでは2種類の税率(軽減税率と標準税率)に対応した経理処理が求められていました。インボイス制度開始後には、さらに事業者の区分ごとに分けて処理する必要があること、さらに経過措置の処理まで考えれば、記帳パターンは従来の3倍になります。請求書を受領してから記帳パターンを都度確認していたのでは、実務が回らなくなる恐れがあるため、仕入先ごとのインボイス登録状況に応じた記帳パターンをあらかじめ経理システム等に登録しておく等の対応が必要だと思われます。


2. インボイス制度 支払側の実務対応

解決!インボイス制度 支払側の実務対応に関する様々な疑問

ここではインボイス制度に対応していく上で出てくる疑問を解決していきます。


疑問1:インボイス(適格請求書)を仕入先が発行していなかったらどうなる?

上述の通り、インボイス制度の下では、インボイスなしでは仕入税額控除の適用を受けられません。では、請求書を発行してこない個人事業主への支払や口座引き落とし等、これまで請求書を受領せずに支払っていた場合はどうなるでしょう。支払先がインボイスを発行していない場合には、支払先に対して、支払先の登録番号を記載した支払通知書を作成して支払うことが考えられます。支払通知書も適格請求書の記載要件を満たすように記載すれば、適格請求書に基づく仕入税額控除の適用を受けることが可能です。その他には、納品書や基本契約書にインボイス登録番号を記載する方法も考えられます。


疑問2:仕入先が適格請求書発行事業者かどうか知る方法は?

税務署から付与された「インボイス登録番号」を持っているかどうかです。

支払先のインボイス登録番号を把握する方法は主に以下の3つです。

  • 国税庁の「適格請求書発行事業者公表サイト」で調べる

  • 支払先に直接聞く

  • 外部サービスを使って調べる

企業のインボイス登録番号を知る方法の詳細については、以下の記事にまとめておりますのでご参照ください。


・法人の場合のインボイス登録番号とは?

付与されている法人番号の頭にTを付けたものがインボイス登録番号となりますが、前項で申し上げた

「適格請求書発行事業者の登録申請書」を提出してから、税務署の承認を得て、インボイス登録番号を使うことができます。


・個人事業者のインボイス登録番号とは?

個人の場合は、Tプラス13桁の番号となりますが、マイナンバーではなく、また法人番号と重複しない番号となります。この時も適格請求書発行事業者の登録申請書の提出が必要ですし、免税事業者であった場合は、課税事業者となるのであれば、消費税課税事業者選択届出書が必要となり、登録申請して、郵送の場合、3週間から1か月半で登録通知が来ます。


疑問3:インボイス(適格請求書)を受け取ったときに確認していたら仕事が回らない?

インボイスを受け取っても記載されているインボイス番号の真正性を確認する必要が出てきます。同名の他の会社が取得した登録番号をあたかも自社の登録番号だと偽って記載する偽造番号の問題を指摘されている専門家もおり、インボイス登録番号の真正性の確認は重要な確認作業です。真正性の確認をおざなりにすると、インボイス登録番号が請求書に書いてあるからてっきり適格請求書発行事業者だと判断していたが、あとになってその番号は架空の番号だったとわかり、数年間の消費税申告を訂正しなければならなくなる、といった事態にも陥りかねません。

しかし、多数の請求書を受け取る時点でいちいち確認していたら本来の経理業務に支障をきたすことにもなりかねません。


以下では、上記の疑問に対応するために重要な事前準備について説明します。


3. 事前の準備が重要 支払先のインボイス登録番号の確認

インボイス受領前にできること

ここでは、インボイスを受け取る前にできることを説明していきます。


・支払先のインボイス登録番号を把握しておくことの重要性

 上述の通り、インボイスには支払先の登録番号の記載が必要です。受領したインボイスに正確な登録番号が記載されていることを確認(真正性の確認)するほか、支払通知書を作成する場合には、支払先のインボイス登録番号をあらかじめ把握しておくことが必要になります。インボイスの受領は基本的には月初などに集中します。そのような状況下で、インボイスを受領した都度、支払先のインボイス登録番号の確認を行うことは現実的には難しいと考えられますので、支払処理の効率化のためにも事前の把握と一元管理が重要となります。取引先マスタにインボイス登録番号等の欄を設けて管理し、経理システムと連動した設計にしておくことが良いでしょう。


・仕入先のインボイス登録状況が変更した場合の経理処理への影響

仕入先がインボイス登録番号や登録ステータスを変更する場合もあります。

一つ例を挙げるならば、先ほども説明した免税事業者から課税事業者へ変更することです。もう一つの例は、制度開始後に、適格請求書発行事業者から免税事業者へ変更する場合です。

 いずれの変更も経理処理にダイレクトに影響を及ぼしますから、適時な把握が必要となります。事前にこちらへも連絡があればいいのですが、いきなりインボイスを提出してきた場合、本当に適格請求書発行事業者として登録されているのか確認する必要があります。また、一旦適格請求書発行事業者として登録されていたのに、登録が失効等により解除された場合には、失効のタイミングに応じて当該支払先に対して支払った消費税が仕入税額控除の対象外になるため、留意が必要です。


・インボイス登録番号の真正性などチェック機能を精度アップしたいけど

インボイス制度が開始するにあたって、このお悩みは、すべての企業の経理担当者にとって共通であり最大の悩みになっていくと推察いたします。


以下では、そのお悩みを解決するツール“easy Invoice Check”を紹介します。

インボイス発行事業者検索・管理ツール「easy Invoice Check」
easy Invoice Checkの画面イメージ

 easy Invoice Checkに備わった、4つの優位性すなわち「できる」 

①取引先マスタなどをアップロードすることで、登録番号を一括チェックすることができる

自社でお使いの仕入先マスタをアップロードして、インボイス登録番号だけでなく、国税庁に登録されている正確な会社名および住所等も反映することができます。


②自動照合アンケート機能で個人事業主の登録状況にも対応できる

アンケートの送信・管理機能で取引先へ直接アプローチしていきます。

できる機能はWebアンケートの送信、送信・回答状況の管理、回答に含まれるインボイス登録番号を国税庁のデータベースと照合して真正性を自動的に照合等があります。取引先に一括して送信できること、誤った登録番号で回答された場合もすぐわかるという優れた機能を備えたインボイス制度専用設計のアンケート機能を備えています。


③会社名だけでチェックできる

例えば、住所情報が登録されておらず、会社名だけのマスタだった場合、同名は全国に複数あります。その場合でも、複数候補の中からユーザーが取引先を特定できる絞込み機能があるため、ステータスを確認したい取引先を特定することが可能です。また、表記ユレのあるマスタにも対応しており、(株)表記や住所の表示方法が「1丁目2番」でも、「1-2」などが混在していても問題ありません。


④常に最新の登録ステータスを確認できる (※開発中)

最新のインボイス登録状況を取得して取引先マスタに反映します。そしてその更新内容をユーザーに通知でき、面倒な再チェック、チェック漏れを防ぐのです。


easy Invoice Check をもっと詳しく ➡ https://www.transacc.jp/easy-invoice-check

会社名・住所の個別入力による逆引き検索機能を今すぐ試す(アカウント登録不要で無償利用可) https://easyinvoicecheck-freecheck.transacc.jp/



まとめ

今後の経理処理で重要なのは、仕入先の正確なインボイス登録番号の把握

せっかくインボイスを受け取ってもインボイス番号が間違っていたら、請求書の差し替えなど煩雑な業務が増えます。しかし、請求書を受け取った時点で、インボイス番号の真正性をいちいち確かめていては普段の経理業務に支障をきたします。今からできる次善の策は、支払先のインボイス登録状況を事前に把握すること。登録状況の確認には、上でご紹介したeasy Invoice Checkツールの活用が有用です。


【easy Invoice Checkツールの特徴まとめ】
  • 自社のマスタを使って支払先のインボイス登録番号を一括把握

  • アンケート送信・管理機能で個人事業主の登録状況の把握もスムーズ

  • 会社名だけでもチェックできる

  • 国税庁のデータに基づき、常に最新の登録ステータス、登録番号の真正性が確認できる

この記事が、来るインボイス制度に向けた経理担当者の実務負担をできるだけ軽減させる道しるべとなったのであれば幸いです。


最後までお読みいただきありがとうございました。

 

この記事で紹介したサービスについてもっと詳しく



執筆者:株式会社トランザック (会社HP : Link)

株式会社トランザック(TransAcc)は、公認会計士とITエンジニアを擁し経理業務をDigital technologyの力で変革するベンチャー企業です。




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